車椅子の天才宇宙物理学者として有名なスティーヴン・ホーキング博士が、自宅で安らかに息を引き取ったそうです。
76歳とのことでした。
大学院在学中に、「筋萎縮性側索硬化症」という難病で車椅子生活を余儀なくされました。
しかし、その後も精力的に活動し、大学で教鞭を取ったり、研究論文を発表したり、宇宙物理学に多大な功績を残しています。
ホーキング博士と切っても切り離すことが出来ないのが「ブラックホール」です。
「ブラックホールは、素粒子を放出し、徐々に勢いを弱めて、最期は爆発して消滅する。」
という「ホーキング放射」と呼ばれる理論を発表しています。
その他にも、ブラックホールに関する発表やコメントをいくつか行っています。
・宇宙創成期には、小さなブラックホールが多数存在していた。
・ブラックホールの特異点定理(ブラックホールには重力の特異点が存在する)
・宇宙と時間は、ビッグバンで始まり、ブラックホールで終わる。
アインシュタインが提唱した、一般相対性理論と量子力学を研究し、発展させて量子宇宙論という分野を開拓して現在の宇宙研究に多大な影響を与えた功績は、誰もが認めるところです。
一般向けに著した「ホーキング、宇宙を語る」は、世界中で1,000万部を超えるベストセラーにもなっています。
私は残念ながら読破できなかったので、いずれ改めて読み直してみようと思います。
また、ホーキング博士の娘である、ルーシー・ホーキングとの共著で、スペースアドベンチャーシリーズという宇宙を題材にした小説もいくつか発表しています。
理系だけでなく、文系の才能も伺えますね。
こちらも私は全部読めていないので、読んだ感想なんかをどこかでご紹介したいと思います。
ホーキング博士と言えば、ブラックホールですが、それ以外にも地球外惑星の探査や移住計画などにも積極的で、人口増加が地球への大きな脅威になると予測し、地球外の天体への移住が必要であると提唱しています。
その一環として、太陽系に一番近い、お隣の太陽系、アルファ・ケンタウリへの小型探査機打ち上げ計画にも参加していました。
これほど宇宙研究に多大な影響を与え、宇宙に興味のない人でも知っている科学者は、他にはアインシュタイン博士くらいでしょうか。
そんな偉大な科学者である、ホーキング博士もノーベル賞は受賞していないんですね。
ノーベル賞の選考基準として明文化されてはいませんが、仮説や理論だけでは受賞できないようです。
提唱された仮説や理論が実証されて、はじめて受賞の選考対象となるようです。
今後、これまでの功績を称えて、特別賞のようなものが授与される可能性はあるかもしれませんが・・・。
ホーキング博士が亡くなった後も、宇宙の研究は続いていくでしょうが、ホーキング博士のように、宇宙に対してもっとワクワクさせてくれるような研究者、科学者が出てきてくれることを願っています。