こんにちは、ゴヨウです。
先日、小惑星探査機「はやぶさ2」が目的地である小惑星リュウグウに到着しました。
到着といっても、20kmほど離れた場所で、リュウグウに着かず離れずで、公転軌道を並走しながら観測を続けます。
今後は何度か着陸を試みて、地表物質のサンプルを採取する予定となっています。
リュウグウの姿
はやぶさ2は、先代のはやぶさが幾多のトラブルを乗り越えて小惑星イトカワから帰還した経験を踏まえて誕生したため、大きなトラブルも無く、リュウグウへ無事に到着しました。
こちらは、リュウグウに近づく「はやぶさ2」から撮影されたgifアニメです。
ONC-Tによって撮影されたリュウグウの連続画像。2018年6月5日〜6月26日の撮影。
画像クレジット※:JAXA, 東京大, 高知大, 立教大, 名古屋大, 千葉工大, 明治大, 会津大, 産総研
リュウグウの姿は、そろばんの珠のような形をしていました。
そして、思いのほか表面がザラザラしており、クレーターの痕跡もいくつか見受けられました。
表面にボルダー(岩塊)が多数見られるということは、今後ローバーの投下、タッチダウン、サンプル採取などのミッションが始まっていくと思いますが、ボルダーがその障害になるかもしれないということが分かったのです。
これからJAXAのスタッフ・関係者の皆さんはどこに下ろすか難しい検討を始められると思います。
はやぶさ2の活躍に期待
小惑星リュウグウに到着した、はやぶさ2はしばらくの間はリュウグウに寄り添いながら、多バンド可視カメラ、レーザ高度計、近赤外分光計、中間赤外カメラを使って小惑星の詳細な観測を行う予定になっています。
その後は、小型ローバーを投下し地表面を直接観測します。
2回ほどタッチダウンを行い、表面物質のサンプル採取を行う予定となっています。
先代の「はやぶさ」もここまでと同じようなミッションを行っていました。
その時は、いくつかは失敗に終わってしまいましたが、今回は無事にすべてのミッションが成功することを祈っています。
そして、ここからが「はやぶさ2」最大のミッション【人工クレーター】の実験です。
これは世界初のミッションで世界中から注目されています。
人工クレーター実験の手順
はやぶさ2が行う予定の人工クレーター実験の手順は以下の流れで予定されています。
1. 母船から衝突装置を切り離す
2. 小型の観測カメラを切り離す
3. 衝突装置によって発生する岩石の破片に当たらないように避難
4. 衝突装置から2kgほどの銅塊を衝突させて人工クレーターを作る
5. このとき小型カメラで衝突からクレーター発生の様子を撮影
6. 母船はリュウグウからいったん離れ、安全を確認した後、再接近し人工クレーターを観測
7. 母船が人工クレーターにタッチダウンを行い、クレーター内の表面物質を採取
まとめ
はやぶさ2のもっとも大事なミッションは、サンプルリターンです。
リュウグウで様々な観測や実験を行い、いくつかのサンプル採取を行ったあと、地球へとそのサンプルを持ち帰ることになります。
多分、先代のはやぶさ同様、地球への突入で「はやぶさ2」の本体は燃え尽きてしまい、サンプルボックスを残してその役目を終えると思います。
それまではたくさんの成果を残して、数年後に無事に地球まで帰って来てもらいたいですね。
先代同様、帰還した時の最期の勇姿に、私はまた感動の涙を流すかもしれません。