ホリエモンこと、堀江貴文氏が出資している北海道大樹町のベンチャー企業「インターステラテクノロジズ」が、来月の28日に民間ロケットを再び打ち上げると発表しました。
昨年7月に打ち上げを行った際には、機体の回転を制御する部分に不具合がありましたが、今回はその時に明らかになった問題点を解決して、高度100キロの宇宙空間を目指すとのことです。
インターステラテクノロジズとは
1997年に、全国のロケット好きが集まって、低価格で衛星を打ち上げられる民間ロケットを作ろう!
というコンセプトでスタートしたベンチャー企業です。
2007年に千葉県に開発拠点を構え、翌年に最初のロケットエンジン燃焼試験に成功しています。
2009年に北海道に開発拠点を移し、より大きなエンジンの開発に成功していました。
2011年には、北海道大樹町でデモ機の打ち上げ試験に成功を収め、これは当時テレビなどのニュースでも話題になりましたね。
2017年7月、観測用ロケット「MOMO」初号機の打ち上げを実施。
目指すは、ロケット界のスーパーカブ!
ホリエモンはなぜ出資した?
子供の頃から宇宙に興味があったそうで、「王立宇宙軍 オネアミスの翼」というアニメ作品がきっかけとなっていたようです。
そもそも現在の宇宙開発は、国が主体のなって進められるのがほとんどです。
それは、開発に莫大な予算が必要だからに他なりません。
ホリエモンは、インタビューの中で、
「科学技術の予算は最先端の技術を使うものにしかおりないでしょう。最先端の技術を使っちゃうと当然高くなる。」
と語っており、
「誰かが安く作ってくれるんだったらそれでいいんです。でも誰もつくってくれない。だから自分たちで作ってるだけの話です。」
とも言っていました。
ライブドア事件の前後から、ロケット開発の話が話題になっていましたが、復帰してから本格的に活動を始めたようですね。
格安のロケットを開発すると言っても、年間1億円程度の出資を行っているそうで、それでも国が行っている開発に比べると、遥かに安い予算です。
実際、格安ロケットは可能なの?
世界で最初に人工衛星を打ち上げたのは、1957年にスプートニク1号を打ち上げたソビエト連邦でした。
人類が初めて月面に降り立ったのは、1969年に打ち上げられたアポロ11号です。
初めて宇宙に人工物を打ち上げてから、12年間で人類が月面にいけるまでになりました。
この調子なら、21世紀には火星まで行けるのではと思われていましたが、未だに実現していません。
最近になって火星に人類を送る計画が立てられましたが、少なくとも2030年以降になりそうです。
なぜ、こんなに宇宙開発が停滞してしまったのでしょうか?
その答えの全てではありませんが、理由のひとつにロケット打ち上げコストが高過ぎる、開発コストが高過ぎると考えられます。
ロケットやエンジンの原材料が、アポロ計画当時より高騰しているかもしれませんが、1960年代の技術で月に行くことは充分可能なんです。
実は、ロシアが現在打ち上げているソユーズ宇宙船は、1960年代当時と技術的にはあまり変わっていないそうです。
初めて打ち上げた頃からの蓄積されたノウハウを生かして、格安で安全な打ち上げが可能となっているはずですが、現時点では、人類を宇宙で安全に送り届けることができるのはロシアだけのため、価格競争が起きていません。
50年前の技術でロケットを打ち上げることが可能であるなら、民間でもロケット開発は可能なはず。
したがって今では、世界各国で民間レベルでのロケット開発が進んでいるのです。
日本では、「下町ロケット」が注目を浴びて、一時期盛り上がったのですが、その後が続いていません。
世界のロケット開発競争で、日本は完全に遅れをとっています。
宇宙ビジネスの世界で、先手を取れるだけの技術はあるはずの日本ですが、最先端技術は得意でも、それを商業ベースに乗せるのが上手ではないのかもしれません。
まとめ
完全にビジネスライクで宇宙開発を考えているホリエモンと、技術者集団のインターステラテクノロジズが、がっちり組んで進められている格安ロケット開発ですので、今度は打ち上げ成功してくれることでしょう。
「前回の課題はクリアできたので、僕としては不安は無い。」とホリエモンは語っていました。
気象条件などもあるため、予備日として4月29日から5月5日までを設定しているので、ちょうどゴールデンウィークと重なっています。
たくさんの人に見に来てもらうことを計算して、この期間に設定したのかもしれませんが、種子島まで打ち上げに見に行くのが難しい北海道民としては、生でロケットの打ち上げを見ることが出来るチャンスかもしれません。
時間があれば、足を運んでみたいと思います。