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「暑さ寒さの彼岸まで」春のお彼岸、春分の日

投稿日:2018年3月22日 更新日:

昔から、「暑さ寒さも彼岸まで」と言われていますね。
春のお彼岸になると、寒さが緩んで暖かくなり始め、秋のお彼岸になると、暑さも落ち着いて涼しくなってくるということを的確に表しています。

昔の人は、経験的にそのことを分かっていたのですが、宇宙目線でそのことを確認することができます。
今回は、なぜお彼岸に暑さと寒さが変化していくのか、お話したいと思います。

昼の長さと夜の長さ

春のお彼岸は「春分の日」、秋のお彼岸は「秋分の日」に当たります。
日本では、この日は祝日になっていますね。

春分の日と秋分の日は、昼と夜の長さが同じになります。(正確には若干違いますが、次項でご紹介します。)
春分の日を境に、徐々に昼の長さが夜より長くなっていき、夏至には、昼の長さが1年で一番長くなります。
夏至を過ぎると少しずつ夜が長くなっていき、秋分の日で昼と夜が同じ長さになります。
秋分の日から冬至にかけて、今度は夜が昼より長くなっていき、冬至では、夜の長さが1年で一番長くなります。

昼の長さが1年を通じて長くなったり、短くなったりすることで気温に変化を生じて、季節感が生まれます。
季節感は、地形や風などの影響によって、さらに雪が多くなったり、乾燥したり、湿度が高くなったりして、より複雑になっていきます。

単純に理屈抜きで、太陽が当たっている時間が長ければ、その分だけ空気や水、地面などが温めれらるので、結果として気温が上がります。

春分の日の前は、昼より夜の方が長いため、気温は低めになります。
逆に、春分の日以降は、昼の方が長くなるため、気温は高めになっていきます。
したがって、春のお彼岸を過ぎると、寒さが緩んで暖かくなっていくということですね。



実は同じではない昼の長さと夜の長さ

天文学的には、太陽の中心が見える時間は同じになりますが、太陽が見えている時間は厳密には同じにはなりません。
これは、「日の出」と「日の入り」の定義が違うためです。

ちなみに、2018年3月21日、札幌の日の出と日の入りの時刻ですが、

日の出: 5:38
日の入り: 17:47

となっておりました。
これによると、昼の時間が約10分長いことになりますね。
では、なぜこのように昼の時間が少しだけ長いのでしょうか?

実は、日の出は太陽が地平線から顔を出した瞬間を指していますが、日の入りは太陽が全て沈んだ時点を指しています。
電車に例えると分かりやすいですが、先頭車両が見えた瞬間から最後尾が見えなくなるまでを「昼」としています。
つまり、最後尾が見えなくなる時点より早く、すでに先頭車両は見えなくなっています。

先頭車両が見えてから、先頭車両がみえなくなるまで、として昼と夜を比較すると同じなります。

春分と秋分は、二十四節気のひとつ

二十四節気とは、1年を24等分して季節を表しています。
1年を分割する方法として、「平気法」と「定気法」というものがあります。
平気法では、冬至を基点として、1年を24等分して配置します。したがって冬至と夏至は、暦上と観測上の日にちは一致しますが、春分と秋分は、日にちに若干の誤差が生じます。
定気法は、黄道の春分点を基点とし、太陽の位置によって配置されます。こちらでは、暦上と観測上で日にちが一致するため、現在では、こちらの方法が一般的となっています。

春分点と秋分点

それでは、宇宙目線でこれまでの話を確認してみましょう。

天球の赤道と、黄道(天球上の太陽のとおり道)が交わるところが、それぞれ春分点、秋分点と呼んでいます。
天の赤道に対して、黄道が南から北に向かって通る時に交わる点が、「春分点」となります。
同じように、黄道が北から南に向かって通る時に交わる点が、「秋分点」になります。

この図は、天動説という意味ではなく、地球を中心にした場合の太陽の見かけの位置を表しています。
天の赤道は、地球の赤道の同心円になっています。

黄道(太陽の通り道)が、天の赤道に重なるということは、地球の赤道に垂直に太陽の光が当たっているということになります。
地球の自転は、23.4度傾斜しているので、天の赤道上以外では、自転軸に対して斜めに太陽が当たっています。

春分点の場合、このような形で太陽の光が地球に当たります。
この時だけ、昼と夜の長さが同じになります。

したがって、この春分点と秋分点を境に、暑さと寒さが入れ替わることになります。

まとめ

昼と夜の長さについては、小学校の理科で勉強し、太陽と地球の位置関係については、中学校で勉強します。
昔の人は、地上から見える太陽の高度、日の出・日の入りの位置や時刻などで、経験的に春分の日と秋分の日を理解していたんでしょうね。

昔の人の言うことは、大体合っている。
これが私の経験則です。

「夏も近づく八十八夜・・・」歌にあるこの部分も、立春から数えて88日目を表していて、種まきを始める時期になっているそうです。

日本の四季、季節感と宇宙はつながっていると思うと何だか感慨深いですね。
ちなみに、春のお彼岸は「ぼたもち」、秋のお彼岸は「おはぎ」と言いますが、呼び方が違うだけで同じ食べ物だそうです。
我が家では、一年中おはぎと呼んでいますが・・・。

そんな感じで、今年の春のお彼岸は、お墓参りしつつ宇宙に思いを馳せてみました。



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