最近、宇宙界隈ではハビタブルゾーンにある地球型惑星の存在がいくつも発見されており、地球外生命体の存在について賑わわせていますね。
そういった地球型惑星の発見よりもずっと前にNASAが、ハッブル宇宙望遠鏡で撮影した「ハッブル・ディープフィールド」と名づけられた画像を紹介していました。
今回は、少しだけ深遠宇宙について語りたいと思います。
地球外生命体は存在する?
地球以外に生命が誕生し、その生命が知的文明を獲得した上で通信が可能であるという可能性を示した「ドレイクの方程式」というものがあります。
それは、以下のような式で表され、「我々の銀河系に存在し人類とコンタクトする可能性のある地球外文明の数」を導き出すためのものとされています。
この式に当てはまる変数は、それぞれこのように設定されています。
変数 | 定義 |
---|---|
R* | 我々の銀河系の中で1年間に誕生する恒星の数 |
fp | ひとつの恒星が惑星系を持つ確率 |
ne | ひとつの恒星系が持つ、生命の存在が可能な惑星の平均数 |
fl | 生命の存在が可能な惑星で、生命が誕生する確率 |
fi | 発生した生命が知的レベルにまで進化する確率 |
fc | 知的レベルになった生命体が星間通信を行う割合 |
L | 知的生命体が通信を可能としている期間 |
この式からは、どれかひとつでも0%の可能性であれば成立しませんが、すべての変数において0%でないとするならば、Nの値は必ず地球外生命体は存在するという答えになります。
この式は、最初に定義されていますが、我々の銀河系内における星間通信が可能な地球外生命体がいるか?を表しています。
これに当てはまらない、星間通信できるレベルにまで進化していない、我々の銀河系以外、の生命体については、もっと確率が上がるはずです。
「全宇宙においては、地球外生命体が存在する可能性はまったくゼロではない。」
と言い切れるかもしれませんね。
深遠宇宙とは
ドレイクの方程式では、我々の銀河系の中でのお話でしたが、その銀河系だけでも1000億個以上の恒星が存在しています。
(一説には4000億とも言われています。)
我々の銀河系(天の川銀河)のお隣には、アンドロメダ銀河が存在しています。
こちらの銀河は、天の川銀河よりも大きく、1兆個の恒星が存在すると考えられています。
そう考えるだけでも、この中にいくつも生命を携えた恒星系が存在するんじゃないかと思わせてくれます。
それでは、さらに遠くまで範囲を広げるとどうなるのでしょうか?
その一端を見せてくれたのが、NASAのハッブル宇宙望遠鏡でした。
こちらの画像は、NASAがフリー素材として提供している、ハッブル宇宙望遠鏡が映し出した「ハッブル・ディープフィールド」と呼ばれる深遠宇宙(深淵宇宙)です。
1996年に撮影され、この写真の中には数100個の銀河が映し出されています。
当時、これを元に試算された全宇宙の銀河の数は、2000億個存在するとされていました。
最近の研究では、さらに10倍の2兆個にも及ぶと算出されています。
宇宙全体で、2兆個の銀河に、仮にそれぞれ1000億個の恒星が存在するとしたら、恒星の数は、
200,000,000,000,000,000,000,000個(2000垓(がい)個)
ここまでの桁数になると現実感が無くなりますね。
宇宙はそれだけ広大であるということの証明でもあるということでしょうか?
実際に生命体が存在するとしたらどんな環境?
太陽系には、大きく分けて、「岩石惑星」、「ガス惑星」、「氷惑星」があります。
このうち岩石惑星が地球型惑星とも呼ばれています。
岩石惑星の中でも、地球は「水惑星」とも呼ばれており、生命誕生に必要な水が液体の状態で存在する貴重な惑星です。
恒星と惑星との距離が、生命体に必要な水が液体の状態で存在することが可能な領域を「ハビタブルゾーン」と呼んでいます。
この領域に地球型惑星が存在することが、生命誕生に大きな条件となっています。
現在は、宇宙観測技術が進歩しており、近隣の恒星系で次々とそのような惑星が発見されています。
2017年6月の時点で、2335個の太陽系外惑星が発見されており、そのうちおよそ50個がハビタブルゾーンに位置している可能性あるということです。
生命体と言っても・・・
地球外生命体とは、言っても必ずしも現代の地球人と同じような生命体とは限らないです。
同じ地球上でさえ、先カンブリア時代、中生代、現代、では存在する生命体は全く別物ですよね?
例えば今から3億年前に星間通信が可能な文明を持った地球外生命体が存在していたとしても、恐竜相手にコンタクトは出来ないでしょう。
万が一、地球外生命体がその時の地球に現れたとしたら、リアルジュラシックパークです。
逆に現在の地球外生命体が、海洋生物のような状態であれば、星間通信が可能になるまで、あと5億年はかかるかもしれません。
あと5億年、我々人類は存在し続けていられるでしょうか?
仮に、同じこの時代に同じ水準で知的文明を構築している生命体が居たとして、コミュニケーションが可能でしょうか?
地球上に存在している生命体同士のコミュニケーションも充分に取れていないし、3000年という誤差の範囲ですら、言語の解析が充分に出来ていないことを考えると、実際コミュニケーションが出来るかどうかは、個人的には現時点では難しいような気がしています。
まとめ
小学生男子が好きそうな宇宙とか恐竜とか、そういう感覚にちょっとだけ大人の知識をプラスして、深遠宇宙から地球外生命体に想いを馳せてみました。
地球外生命体は存在するかという謎は、今でも議論が繰り返されていますが、発見できていないだけで居るはずだ。
と思う方がロマンがあっていいかなと思います。
さすがに火星人は居ないと思いますが、木星の衛星であるエウロパや土星の衛星であるエンケラドゥスには、液体の水が存在すると言われています。
衛星にもそのような条件が揃っている場合があると考えると、ますます生命体の存在する可能性は広がりますね。
まだ太陽系外にある衛星の観測までは、技術的に難しいのかもしれませんが、いずれそのような観測が出来るようになれば、地球外生命体の存在確率は格段に上がってくるでしょう。